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2022/10/14(金)-16(日) わたしの、伝統的ヨーガ入門
~ヨーガを応用したトータル・ヘルスケアへの準備~

ヨーガの実践 講義の様子 ヨーガの実践

「わたしの、伝統的ヨーガ入門」秋のプログラムのご案内です。
長年ヨーガ教育に携わり、研究をされてきた相方先生ならではの国内唯一の入門プログラム。
これからヨーガをはじめたい方や、ヨーガ指導を目指す方にもおすすめです。
うつくしい紅葉のなか、養生園でも実践している伝統的ハタ・ヨーガのセルフケアメソッドを学んでみませんか。

このワークショップは、信頼性の高いセルフケア・メソッドとして確立されているヨーガの体験的理解を深めるプログラムです。

ヨーガが初心者の方や、長年ヨーガに親しんでいる方、また現在ヨーガ指導に携わっている方にも有益な内容です。

世界的な新型コロナのパンデミックによって、自分の健康を自分で守るセルフ・ケアの大切さが再認識されました。

現在インドで進行中のヨーガ改革の方向性に準拠しながらヨーガの共通認識となる基礎知識とスタンダードな技法について再確認して行きます※。

養生園でのワークショップ期間中はヨーガの実習面に集中することで、参加者のみなさんがご自分のヨーガの練習の方向性を確立できるように指南します。ヨーガの知識/理論面については、予習/復習用の講義ビデオを提供して行きます。

このプログラムは「伝統的ヨーガの理論と技術」のセミナー・シリーズのエントリー・レベルに相当し、継続的なヨーガ学習のカリキュラムも用意されています(オンラインとオンサイト)。

※ 参照資料としては、2017年にインド政府AYUSH省から刊行されたヨーガの『公式ガイドブック(Certification of Yoga Professionals Official Guidebook Level1)』の1章ヨーガとヨーガの実習、2章ハタ・ヨーガ入門、3章パタンジャリ入門が用いられます。


日程:
2022年10月14日(金) ~16日(日)〔2泊3日〕
参加費:
68,000円(1人部屋)
60,000円(2人部屋・相部屋)
講師:
相方宏・相方秀子
  • ※10%税込、宿泊費、食費、プログラム参加費のすべてを含みます。
  • ※2人部屋・相部屋をご希望の方はご予約時に備考欄でお知らせください。

★さらにゆっくりと過ごしたい方は里の家、新棟での前後泊が1泊より可能です。ご希望の方はリトリートご予約時にお知らせください。

ご予約はこちら

ワークショップスケジュール

1日目

■13時
里の家へチェックイン
温泉入浴・宿泊棟へ移動
■15時半
オリエンテーション・実習&講義
■17時半
夕食
■19時
ヨーガ談話・リラクゼーション&ブリージング

2日目

メディテーション(自由参加)
■7:00
ヨーガ実習
■9時
ティーブレイク
■9時半
ヨーガ実習
■10時半
朝食
■12時
森林散歩
■13時半
ティーブレイク・講義
■17時半
夕食
■19時
ヨーガ談話・リラクゼーション&ブリージング

3日目

メディテーション(自由参加)
■7時
ヨーガ実習
■9時
ティーブレイク
■9時半
ヨーガ実習
■10時半
朝食
■11時45分
シェアリング
■13時
解散予定
  • ※プログラムは天候などにより変更する場合がありますのであらかじめご了承ください。
相方 宏・ひで子

講師プロフィール

相方 宏(あいかたひろし)

広島生まれ。東京外語大インド・パーキスターン学科卒、インド・マハーラーシュトラ州のカイヴァリヤダーマ研究所付属カレッジ卒(DYEd1990-91)、1991-93年プネー大学哲学科修士課程(M.A.)修了、博士課程(Ph.D.)中退。1995−7年インド政府給費留学生(ICCR)、1996年インドの大学講師資格試験通過(SET/哲学)。近代的ヨーガ研究のパイオニアであるスヴァーミー・クヴァラヤーナンダ(本名ジャガンナート・グネー:1883-1966)が1924年に設立したカイヴァリヤダーマ研究所の主要スタッフであったマノーハル L.ガローテー博士(1931-2005)に師事。ガローテー博士が1996年に設立したロナヴァラ・ヨーガ研究所のプログラム・コーディネーター。また、2014年に開講されたカイヴァリヤダーマ研究所のオンラインコースのメンター。1998年よりタイランドの大学でヨーガを医療・教育分野に導入する活動に従事(シーナカリンヴィロード大学哲学宗教学科、ソンクラー大学看護学部)。2004年よりMCB財団タイ・ヨーガ研究所共同ディレクター(http://www.thaiyogainstitute.com/)。

1年をインドでの「研究期間」とタイでの「仕事期間」に割り当てながら、ヨーガをテーマとしたインド研究とアジアの精神性の探究を続ける。近年は広い意味での仏教的精神性とヨーガの統合的理解へ注力。日本では2008年より穂高養生園で「伝統的ヨーガの理論と技術」のセミナー・シリーズを実施。ここ2年余りは新型コロナ・パンデミックの余波でインターネット上での活動に比重が置かれている。

相方秀子(あいかたひでこ)

東京生まれ。1987年より、夫とヨーガの探究生活に入る。1990年よりインド・タイ在住、インドやアジア諸国に伝承されている健康の維持増進の方法論についての研究と活動。公私に渡り、夫の研究と仕事をサポート。ヨーガをテーマとして、インドやアジアの仏教国での自然と同調した伝統的な生き方についての洞察がライフワーク。


【伝統的ヨーガの理論と技術】

ヨーガの歴史は古く、そのルーツはインドの精神的修行法として伝承されて来た身心統合・精神統一の方法論にあります。1920年代にヨーガの学術的研究が西インド・マハーラーシュトラ州のロナヴァラに設立されたカイヴァリヤダーマ研究所で着手されたことで、サイエンスをベースとした近代的ヨーガが一般社会の医療・教育分野に浸透して行くプロセスが始まりました。1960年代以降、ヨーガはある種の神秘的な装いを纏うインド発の健康法として諸外国にも広く伝搬されて行き、日本にも1960年代からヨーガが紹介されて来ました。日本では1990年代にヨーガが絡む大きな社会的スキャンダルによる停滞がありましたが、ヨーガへの期待と根強い関心は衰えることはなく、近年再びヨーガ・ブームと呼べる時期が到来しています。

 

しかし、もともとヨーガは無限とも言える多様性を許容するインドの宗教文化に伝承されて来たため、何かと誤解や混乱も多い分野でした。特に基準となるスタンダードな理論や技法への認識の不足が、しばしばヨーガの常識的な理解や社会的受容への障害になっていましたし、ヨーガにまつわるスキャンダルの温床にもなっていました。

 

ヨーガの本家インドでは、インド国外でのヨーガの恣意的な解釈や行き過ぎた商業化、またインド国内でのヨーガへの関心の高まりから、2008年にモラルジ・デサイ国立ヨーガ研究所(MDNIY)主導によりインド・ヨーガ協会(Indian Yoga Association)が結成され、ヨーガのスタンダード化とヨーガ教育課程のガイドラインを策定する作業が着手されました。そして、2014年にヒンドゥー民族主義系のインド人民党(BJP)政権が成立したことで、国策としての「ヨーガ改革」が始まり、インドの伝統文化に根差した叡智を現代の保健医療・教育分野へ適応して行く規格化/資格化/学歴化が進められています。

 

2015年から国連で「6月21日」が「国際ヨーガ・デー」として制定されたことに合わせて、国立ヨーガ研究所から一般向けに規格化されたヨーガ実習プログラムである「ヨーガ・プロトコール(Common Yoga Protocol)」が公開され、同時にインド政府AYUSH省でQCI(Quality Council of India/インド品質協会)が策定したヨーガ教育能力検定制度が導入されました。並行してインド国内の各大学にヨーガ学科の新設が推進されています。

 

2017年にはAYUSH省から公式ガイドブックが出版、その延長線上でWHO(世界保健機構)からヨーガ・トレーニング・プログラムの国際基準となるベンチマークが公表される予定です。2021年6月21日の第6回国際ヨーガ・デーにはWHOとAYUSH省の共同制作によるヨーガ学習用アプリ『mYoga』もリリースされました。

 

特に、新型コロナ・パンデミックの勃発以降、自己免疫力向上への切り札としてヨーガ実践が前面に打ち出されたことと、ロックダウンや行動制限に伴いインターネット上でのヨーガ活動が拡大したことで「ヨーガ改革」が加速化されています。

 

ヨーガに関心のある日本のわたしたちにとっても、本家インドでの「ヨーガ改革」は大いに歓迎されることに思えます。とかく今までヨーガには実体のない「鵺(ぬえ)」のようなところがありましたが、ヨーガに関する客観的で公的な基準が明確になって来たことで、今後どのような距離感でヨーガと付き合って行くかの具体的な対応が可能になって来ました。

 

またインド側が「ヨーガはインドの伝統文化である」という主張を前面に出して来たことで、ヨーガと健全な関係を築いて行く上での日本人としての主体性も問われることになりました。

 

現在インドで進行中の「ヨーガ改革」も、1920年代からロナヴァラに蓄積されて来た学術的なヨーガのリソースが土台となっています。日本でも今後も健全なヨーガの活動が持続的に発展し、ヨーガによる恩恵が広く提供されて行くには、インドの伝統的リソースに基づいたニュートラルで学術的なヨーガの知識を確認して行くことが有益です。

 

各個人の多様なニーズに応える柔軟性もヨーガの特性のひとつですが、ヨーガのどのような面に興味を持つ場合でも、ある段階で伝統的なヨーガのリソースについて知って行くことは望ましいステップと言えます。

 

2008年から着手された「伝統的ヨーガの理論と技術」というアプロ―チは、ヨーガとライフワーク的な付き合い方を志向されている方へのサポートとなるよう、時代の変化に合わせて常に最適化が進められています。